名門・静岡高が7-2で清水西を下し、初戦突破。斎藤来音(らいね)外野手(3年)が「令和1号」となる大会初本塁打を放った。

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名門の中心打者が、令和の夏に最初の花火を打ち上げた。時刻は午前10時ちょうど。2-2の5回裏2死走者なし。斎藤来は、5球目の内角への変化球を強振。打球は高々と上がり、右翼ポール際への決勝本塁打となった。「自分のスイングをしようと打席に入った。ファウルかなと思いましたが、入ってくれて良かったです」と目を細めた。

チームは初回に先制を許すも、すぐさま逆転。だが、2回以降は相手先発を打ちあぐね、4回に追いつかれた。流れが傾きかけた中での主砲の一打に栗林俊輔監督(46)は「良いところで打ってくれた。あの1発は大きかったですね」と賛辞。先発した松下静(じょう)投手(3年)も「あそこで打ってくれたおかげで、その後は投げやすくなった」と話した。

昨年10月に椎間板ヘルニアを発症し、12月に手術を受けた斎藤来。長いリハビリを経て、5月に復帰した。「野球をできなかったことが、何よりもつらかった」と振り返る。それでも苦しい状況を受け入れ、黙々とトレーニングを重ねた。その結果、ケガをしない体の使い方や技術、パワーを身につけて最後の夏を迎えた。

次戦は15日、今春敗れた静岡西との2回戦。「春のことは気にせず、しっかりと準備して臨みたい」と気を引き締めた。【河合萌彦】