星稜が遊学館との接戦を制し、4強に進出した。「高校四天王」の一角、奥川恭伸投手(3年)が今大会初先発。NPB10球団が視察する中、初回の先頭打者の初球に149キロをマーク。「厳しい場面がたくさんあったけどしっかり踏ん張れました」。9回7安打1失点。13奪三振を奪い完投勝利した。

序盤は打たせて取る投球。2点リードの3回、連打を浴び1死一、三塁のピンチ。「逆方向のバッティングが多くて、対策を練っていた」。適時打を許し1点差に詰め寄られると、ギアを上げた。内野安打で満塁とされると、そこからスライダーで2者連続三振。「自分のボールを信じて腕を振るしかなかった」。

失点した後の4回、先頭打者には151キロをマークし、「開き直って」スライダーで空振り三振。3者凡退で相手の流れを食い止めた。終盤に入っても、球威は衰えず7回にも150キロをマーク。「序盤は打たせて取る投球。向こうも合わせてヒットにしてきたので、終盤は投球を変えてリズムよく投げられました」と、7回1死から8回まで5者連続三振を奪う快投。

7回から9回の3イニングは「序盤中盤より神経を使って投げました」と1人の走者も許さないパーフェクトピッチング。県内有数の強豪を撃破し「ここを1つ目のヤマ場と考えていた。どんな勝ち方でも次につながる。負けたら終わり。焦ることなく、自分たちの野球をやりたい」。

打線は初回、有松和輝外野手(3年)のソロ本塁打で先制し、3回には敵失絡みで1点を追加した。林和成監督(44)は「難しい試合でした。ロースコアでできたのは良かった」と息をついた。

準決勝は27日。25日に行われる金沢龍谷対鵬学園の試合の勝者と戦う。