第101回全国高校野球選手権大会(甲子園)は14日、初戦を突破した仙台育英(宮城)と鶴岡東(山形)が2回戦に登場する。

13日は両校とも兵庫県内で調整。鳴門(徳島)と対戦する仙台育英は、「1番二塁」中里光貴内野手(3年)が切り込み隊長となって攻守のリズムを作る。

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中里がチーム最速50メートル5秒9の足と元気の良さで、グラウンドを駆けた。機動力を徹底するシート打撃では、野手の間に強いゴロで安打を量産し、好走塁も連発。守備でも定位置の二塁から士気を高めた。「次の試合も自分の結果に一喜一憂せず、仲間を鼓舞したい。最後の大会で楽しく、伝えられることを伝えたい」。副将として同学年だけでなく下級生にも寄り添って、持ち味を最大限に引き出す役割も担う。

小中学校時代は投手を含めて数多くの守備位置を経験したが、昨秋の東北大会後に外野手から二塁手に転向した。「セカンドも初めてでしたし、1つのポジションでガッツリやるのも初めてでした」。須江航監督(36)に命じられた時は不安もあったが、171センチの俊足巧打を将来的にも生かす適性を見据えた起用法を感じ、努力を重ねて「背番号4」をつかんだ。

午前5時からの朝練習を含め、自主練習のほとんどをノックに費やした。夜もコーチ陣の協力で倒れ込むまで続けた。多い時には1日1000球以上。1人で壁当てし、捕球とスローイングの基本も徹底的に体に染みこませてきた。

飯山(長野)との1回戦では24安打20得点など記録ずくめの大勝だったが、鳴門は花巻東(岩手)を破った好左腕と強力打線が立ちはだかる。同監督も「堅い守備で勢いを途切らせたい。バントやエンドランなど丁寧な試合をしたい」。堅守、俊足、ムードメーカー-。中里が勝利のキーマンとなる。【鎌田直秀】