県高野連は5日、静岡市内で臨時理事会を開き、中止となった全国高校野球選手権静岡大会の代替大会として、「2020夏季静岡県高校野球大会」の開催を決定した。7月11日に開幕し、8月1日に草薙球場で決勝戦を行う(雨天順延)。組み合わせは、27日に代理抽選で決定する。県内の球児たちにとっては、待ちに待った朗報。強豪校からも喜びの声が上がった。

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プロ注目の148キロ左腕、静岡商の高田琢登投手(3年)が、スカウトへのアピールの場を得た。「大会があると信じて練習を頑張ってきたので、うれしいです。目標にしているソフトバンク小沢怜史投手(日大三島高出)の152キロを超えたい」。この日発表された県大会で、自身初の150キロ超えを狙う。

4~5月は全体練習がなく、「投げる力が3割ぐらい落ちている」と自らを評した。「調子を元に戻したい。休校中は体幹トレーニングをたくさんやってきた。プロの全球団のスカウトに、全力でアピールしたい」。来月の大会を待ち切れない様子だった。

父親の高田晋松監督(50)は「新たな目標が明確になり、戦う気持ちになった。3年生20人全員をベンチ入りさせる。野球をやらせてあげたい」と気遣った。春のセンバツと夏の甲子園が中止になり、失意に沈んだ3年生を使う。「7イニング制は投球が100球前後になるので、3年生投手4人で回せる。連戦でもコンディションは維持できる」と青写真を明かした。

対馬勇斗主将(3年)は「今までお世話になった保護者やOBの方々に、自分たちの思いを届けられるプレーをしたい」と力を込めた。感謝の気持ちを胸に、県制覇へ突き進む。