約半世紀前に甲子園制覇をした古豪・興国が、6回コールド勝ちした。台湾出身の4番尤彦晟(ユウ・イェンチェン)は1打数無安打1打点で「調子はダメでした。タイミングが」とたどたどしい日本語で話した。

尤は小4から野球を始めた。昨年6月、日本でプロになることを夢見て来日。寮生活を送りながら独学で日本語を勉強。普段は監督が来る前に打撃練習を行うほどの努力家だ。日本に来て驚いたことは「ピッチャーの変化球がすごい。コントロールがいいです」と話す。

元ロッテの喜多隆志監督(40)は昨夏に1回戦負けを喫した時のことを振り返り「来たばかりで日本語もそんなにわからないのに『3年生を引退させてしまった』と泣いてました。純粋な子です。ただ、おとなしいので、(激しい)ノックで自分を出させるようにしてます」とし、打撃力については「一番いいバッター」と高評価する。

年齢制限の関係で公式戦の出場は秋まで。高校球児として最後の夏の目標は「ベスト4」と明言。異国の地で夢を追う。【南谷竜則】