昨秋東北王者の仙台育英(宮城)が、プロ注目投手陣を擁するノースアジア大明桜(秋田)にタイブレークの末に2-1でサヨナラ勝ちし、決勝進出を決めた。

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プロ注目の4投手を擁するノースアジア大明桜が、昨秋の東北王者をあと1歩のところまで追い詰めた。先発した2年生の150キロ右腕・風間球打が初回に1失点も、6回を1安打。7回から登板の長尾光(3年)は、得意の変化球を駆使し踏ん張った。最後はスプリットが落ちきらずサヨナラ打を浴びたが、確かな爪痕を残した。

昨秋の東北大会では2回戦で延長11回、8-9で競り負けた。コロナ禍で夏の選手権が中止となり「心の甲子園」と位置付けた東北大会。再び敗れたが輿石重弘監督(57)は「甲子園で戦いたかったですね。でも仙台育英をこれだけ苦しめたんだからよく頑張ったと思います」。かつてないほどの好投手がそろったチームが甲子園を踏めなかった現実を残念がったが、一冬の成長をたたえた。

長尾、佐々木湧生、橘高康太の右腕トリオは、プロ志望届を提出する予定だ。長尾は「2人が投げる場をなくして申し訳ない」と高校最後の公式戦となり残念がったが、休むつもりはない。「まだ力不足。しっかり練習してドラフトまで追い込みたい」と、次の夢に向かって再び歩みを始める。【野上伸悟】