東邦(愛知)と県岐阜商の3年生による引退試合が行われた。新型コロナウイルスの影響を受け、県独自大会を辞退した両校同士の対戦。ナイター照明の下、選手たちの声がひたすらこだましていた。試合前、鍛治舎監督に「単なる親善試合じゃなくて、失礼ないように持っているものを全て出す。それが集大成」と送り出された県岐阜商ナインが躍動。打線は序盤から活発で、初回に甲子園の交流試合でも本塁打を放った佐々木泰主将(3年)が適時打を放つなど、県岐阜商が3点を先制。2回にも4点を追加し、試合を優位に進めた。

両校は今夏、野球部員ではない在校生らが新型コロナウイルスに感染し、東邦は県独自大会4回戦で、県岐阜商は県独自大会を戦わずして辞退。最後の夏を未曽有のウイルスに翻弄(ほんろう)された。

東邦が辞退を決めた7月26日中に、県岐阜商の鍛治舎巧監督(69)から東邦サイドに引退試合の提案があり、花道が実現した。両校ともこの日は、学校の授業を受けた後、バスで球場入り。ノック終了後、両校で記念撮影を行い、18時前に試合が始まった。

 

○…県岐阜商・鍛治舎監督は試合後、3年生部員を「お疲れさまでした。(1年間)いろいろありすぎたけど、ベストゲームだった」とねぎらった。今夏、県独自大会は学校関係者が新型コロナウイルスに感染したため、初戦を戦わずに辞退。その後、東邦に引退試合を提案し、実現にこぎ着けたた。初回、甲子園での交流試合で本塁打を放った佐々木泰主将(3年)が適時打を放つなど3点を先制し、試合を優位に進めた。佐々木は「3年生が全員ベンチに入って勝って終われたのがうれしい。自分たちのしてきた野球を出せた」とやりきった表情だった。