今夏の甲子園交流試合で勝利し“なつぞら旋風”を起こした帯広農3年生部員が、それぞれの道へ歩み出す。

主砲兼投手として出場した水上流暢右翼手(3年)は4日、札幌国際大に合格した。一時は実家の農家を継ぐため引退を考えたが「甲子園に行って気持ちが変わった。家族にもやりたいことをやりなさいと後押ししてもらった」。札幌6大学リーグ2部で、17年明治神宮大会で星槎道都大を準優勝に導いた山本文博監督(64)のもと、野手に専念し、力をつける。

甲子園でベンチ入りした14人の3年生のうち6人が野球を続ける。前田愛都一塁手(3年)は、札幌6大学リーグ3部の北海道医療大に進学。野球を続けながら、理学療法士を目指す。「2部に昇格して水上と対戦できるようになれたら」と盟友との対戦も楽しみにする。

主将兼エースとしてチームをけん引した井村塁(3年)は音更町役場に就職し野球から離れる。「甲子園は僕たちに120%の力を出させてくれた。最高の体験。野球を通じて人間として本当に成長させてもらった」と振り返った。それぞれ進む道は異なるが、描いた夢に向かい全力で突き進んでいく。【永野高輔】