高校野球佐賀大会は16日、各地で2回戦が行われた。07年夏の甲子園で「がばい旋風」を巻き起こし、全国優勝した佐賀北が、14安打7得点で初戦を突破。当時の決勝戦で逆転満塁弾を放った副島浩史氏(現唐津工監督)の、伝説の背番号「5」を受け継いだ笹山宗悟(そうご)内野手(3年)が、4安打3打点でチームを勝利へ導いた。19年以来6度目の夏制覇へ、佐賀北が再び「がばい旋風」を巻き起こす。

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14年前に「がばい旋風」を巻き起こした佐賀北が、当時を想起させる逆転勝利を演じた。2点を先制された直後の5回1死二、三塁。笹山が、同点の中前適時打を放った。「自分が打てなくても4番の森がいる。思い切って振りにいきました」。その後は9回まで毎回得点。この日4安打3打点で、本塁打が出ればサイクル安打達成だった笹山が、打線に火をつけた。

笹山は「3番三塁」で背番号「5」をつける。07年夏の甲子園決勝で逆転満塁弾を放った副島浩史氏(現唐津工監督)と全く同じ打順、守備位置、背番号だ。伝説を継承した笹山は「あの副島さんがつけていた番号。誇りに思っています」。当時はまだ3歳だったが、一世を風靡(ふうび)した「がばい旋風」は知っている。「その影響もあって佐賀北にきました」。憧れの大先輩に続くつもりだ。

チームを率いるのは昨春に監督へ就任した本村祥次氏(27)。同校OBで、12年夏の甲子園では「3番中堅」でスタメン出場した。1回戦で上林誠知(現ソフトバンク)率いる仙台育英に敗北したが、本村監督は4打数2安打と活躍。試合後は「いい意味で北高野球部の『がばい旋風』。私ももちろんですけど、後半の粘りという野球はみんな受け継いでやってくれています」と、この日の逆転勝利を喜んだ。

19年の夏の大会王者。独自大会だった20年を除けば“2連覇”が期待される。本村監督は「守備からのチームになる。守り勝つ野球をしていきたい」と、頂点を見据えた。【只松憲】