明徳義塾は馬淵史郎監督(65)の攻撃的な采配で勝利の流れを引き寄せた。
両校無得点の6回、代木大和投手(3年)が先頭に死球を与え、県岐阜商の松野匠馬外野手(3年)に中越えに先制適時三塁打を浴びた直後、継投に入った。エースから2年生で変則左腕の吉村優聖歩(ゆうせふ)投手へ。中軸を立て続けに内野ゴロに仕留め、見逃し三振でピンチを脱した。追加点を許さず、その裏の攻撃で逆転に成功。快投で流れを作った。
指揮官は「無死三塁で吉村が0点に抑えたのが試合で一番大きいポイント。(継投は代木の)死球が(捕手の)構えたところと逆だったので、あのときに代えようと思った。継投のタイミングが遅れた気もしないでもない。(吉村は)度胸がある子。『低めに投げて打たせて取れ』と言ったけど、結果的にああいう形で0点で良かった」と振り返った。吉村は馬淵監督の秘蔵っ子。大舞台で4回1失点と力投した。
同点の9回、森松幸亮外野手(3年)が中堅にサヨナラ打を放った。馬淵監督は渡辺元智(元横浜監督)と前田三夫(帝京監督)を抜いて単独4位の甲子園春夏通算52勝に積み上げた。「監督の52勝じゃない。歴代の選手が一生懸命やった結果」と教え子に感謝した。県岐阜商の鍛治舎巧監督(70)との名将対決は明徳義塾に軍配が上がった。「大先輩を相手に甲子園で野球をすることはなかなかない。この年になると年下ばかり。いい試合をできた」と独特の口調で振り返っていた。【酒井俊作】

