日大三島は決勝で聖隷クリストファーを退け、38年ぶり2度目の県制覇を果たした。この2チームは、30日に愛知・岡崎市民球場で開幕する東海大会に出場する。

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日大三島が5点リードの最終回。最後の打者を空振り三振に仕留めると、エース松永陽登(はると、2年)が両手を広げてほえた。139球を投げた前日2日の準決勝・静岡戦に続く連投も、何のその。9回9安打2失点と好投した。打っても、1-2の3回2死二、三塁で逆転の2点タイムリー。投打でチームを38年ぶりの優勝へ導いた。2日間で計272球を投げ抜いた右腕は「球は走ってなかったけど、味方がしっかり守ってくれた」と、笑顔で感謝を口にした。

今大会、チームは準々決勝で今春の東海王者・掛川西に、準決勝では今夏の県王者・静岡にサヨナラ勝ち。昨年4月の就任後、初タイトルを獲得した永田裕治監督(57)は「ミスもたくさんあるけど、練習試合もできない中で選手はびっくりするぐらいの成長を見せた」と目を細めた。

報徳学園(兵庫)を率いて春夏通算18度の甲子園出場を誇る指揮官の下、チームは練習からミスを厳しく指摘し合う集団へと変貌を始めた。松永は「もっと厳しく突き詰めていく必要がある」と浮かれず、気を引き締めた。東海大会までは約1カ月。1989年夏以来の聖地を目指すナインには、まだまだ伸びしろがある。【前田和哉】