浦和学院(埼玉)が、開幕戦で勝利を飾った。昨秋からチームを率いる森大監督(31)は甲子園初勝利。甲子園で通算28勝を挙げている森士(おさむ)前監督(57)と父子での甲子園勝利を達成した。

試合後は、ウイニングボールを手にした。「去年の夏も部長として経験しましたが、観客が入って、ブラスバンドの応援を聞いて、感極まるものがありました。開幕戦をやらせていただいて、今の生徒たちに本当に感謝したいです」と話した。

ポイントに挙げていた先制点を挙げた。0-0で迎えた4回無死一塁、4番の鍋倉和弘内野手(3年)の中越え適時三塁打で1点を先制。

さらに無死三塁で、高山維月捕手(3年)がカウント1-2と追い込まれてから高めの115キロ変化球をバックスクリーンへ運んだ。大会第1号2ランで追加点を挙げ「甲子園で校歌を歌えてほんとうによかった」と喜んだ。ガッツポーズをしながらダイヤモンドを1周したが「入った瞬間は緊張していたというか、回りを見られなかった。ただグラウンドを走ってしまって、もっとゆっくり走りたかったという気持ちもあります」と笑って明かした。

エースの宮城誇南(こなん)投手(3年)が被安打2に抑え、完封勝利。森監督は「やはり開会式のあとで時間もなかったので、選手たちも寒い中で不安もあったが、去年の夏を経験したエース宮城や八谷、金田が落ち着いてプレーしてくれてましたので、それに呼応して頑張ってくれたと思う」と選手をたたえた。

◆甲子園の主な父子監督 平原美夫(高鍋で1勝)と美樹(同2勝)、日下隆(三田学園で4勝)と篤(育英で8勝)、早川和人(盈進で1勝)と宜広(岡山理大付で7勝)、斉藤一之(銚子商で23勝)と俊之(同1勝)、小川信幸(県岐阜商で7勝)と信和(同2勝)などの例がある。森大監督の父士さん(通算28勝)は92年春の初試合で福井商に13-5で勝った。父子ともに甲子園初采配勝利は、前記の中では斉藤父子、小川父子が記録している。箕島で13年夏に出場した尾藤強監督(未勝利)は、同校で通算35勝を挙げた尾藤公監督の長男だった。