今春センバツに出場した花巻東(岩手)が、完勝で県大会出場を決めた。12-1の5回コールドで花北青雲を下した。高校通算47本塁打の4番田代旭捕手(3年)が先制打含む3打数2安打3打点でけん引。投手陣は大道星也、吉田幸永、金沢秀弥(いずれも3年)の継投で最少失点で切り抜けた。吉田以外は公式戦初登板だった。

田代の一打が打線爆発の呼び水となった。初回2死二塁、カウント1-1から左中間への適時二塁打で先制。高校通算64本塁打の3番佐々木麟太郎内野手(2年)が空振り三振に倒れた直後の1本だった。「麟太郎がいるだけで、かなり相手のプレッシャーになっているので、麟太郎を抑えてホッとしたところを自分が打たせてもらった」と謙遜しながら振り返った。

主軸の仕事を果たしたが、充実感はない。2回にも右前適時打を放ち、3回は押し出し四球。ただ、最終打席となった4回2死二塁の場面で左飛で凡退した。「3打数3安打ではなく、3打数2安打だったので、最後の1打席で甘さが出てしまった。確率の高いバッターを目指したい」と厳しい自己評価を下した。

昨秋の花巻東は県大会と東北大会を制し、初出場の明治神宮大会で4強入りした。それでも、センバツでは市和歌山に4-5で惜敗。初戦敗退の屈辱を味わった。今春は「目の前の試合に1つ1つ勝つことを目標にしている」と田代。がむしゃらに一戦必勝を貫く。【山田愛斗】