履正社が中12時間半の一戦を制した。前夜は大商大堺と大熱戦のシーソーゲームを制し、試合終了は午後9時28分だった。この日は投打の歯車がかみ合い、決勝進出だ。多田晃監督(43)は「子どもたちは問題なく朝から元気。前半からいいペースでできました。問題なくできた」と話した。

左腕先発の福田幸之介投手(2年)は8回途中まで4失点だった。打線も援護した。4回1死二塁で佐々木琉登内野手(3年)が右中間適時三塁打。午前10時34分だった。プロ注目の光弘帆高内野手(3年)も右翼線適時二塁打で加点。2点を刻んで幸先がいい。

攻め手を緩めない。5回に1点を加え、6回は敵失絡みで3点を追加し、一気に突き放した。8回に4点を奪われ、2点差に詰め寄られたが逃げ切った。2安打の光弘は「昨日の試合は昨日の試合。今日の試合は今日の試合です。全員、切り替えられた」と胸を張った。今大会は4試合連続2桁得点の豪快発進。5戦62得点の強力打線が売りだ。

コンディション調整が難しいナイターだったが細心のケアを施した。前夜の試合後、トレーナーは入浴、早めの就寝、ストレッチなどをアドバイス。光弘も親とともに神戸市内の自宅に帰り、帰宅は午後11時20分だったという。帰路の車中では補食も欠かさない。休養も栄養も確保して、この日の戦いに臨んだ。

前任で東洋大姫路(兵庫)の岡田龍生監督(60)からチームを引き継いだ多田新監督は語気を強める。「春、優勝しようと言ってきました」。大阪府大会の決勝進出は19年秋以来、3年ぶりで、準決勝2試合目の大阪桐蔭対上宮の勝者と対戦する。今春センバツ優勝校の大阪桐蔭は公式戦25連勝中で全国最強。大阪の両雄が、春の頂上決戦で激突する可能性が出てきた。