事前に公言していた球団が、“先手必勝”となった。

公言していた日本ハム、中日、広島、西武、ソフトバンク、オリックス、ヤクルトに加えて、大阪桐蔭・松尾汐恩捕手(3年)を指名したDeNAの8球団が一本釣りに成功した。

前日まで競合している選手はゼロだったが、手の内を隠した阪神とロッテにより、高松商・浅野翔吾外野手(3年)と立大・荘司康誠投手(4年=新潟明訓)の2人が競合となった。

浅野は巨人と阪神がクジを引いた結果、異例の早さで9月末に公言した巨人原監督が交渉権獲得を引き当てた。

大学生投手の中でも、ポテンシャルの高さが光る最速157キロ右腕の立大・荘司は、公言していた楽天に加えて、ロッテも手を挙げた。くじ引きの結果は、こちらも事前に公言していた楽天となった。

クジを外したロッテは、最速152キロ右腕で制球力の高い専大・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)を1位指名。阪神は、長距離砲の中大・森下翔太外野手(4年=東海大相模)を指名した。

突出した候補が少ないとされる今年は1位指名を公言する球団が相次ぎ、前日までに9球団が発表。異例のドラフトは、例年より静かに幕を開けた。【アマチュア野球担当=保坂恭子】