春季高校野球東北大会(7日開幕、岩手)の組み合わせ抽選会が5月31日、オンラインで行われた。昨秋の東北王者・仙台育英(宮城1位)は8日の準々決勝から登場し、秋田商(秋田2位)-一関学院(岩手2位)戦の勝者と対戦。仙台商(宮城2位)は高校通算130本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東(岩手1位)と、仙台一(宮城3位)は八戸学院光星(青森2位)と7日の1回戦で激突する。

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仙台育英が6年ぶりの春の東北王者へまい進する。山田脩也主将(3年)は抽選会で「1」が書かれたくじを引き、準々決勝から登場のシード2枠に入った。優勝に1歩近づいたものの、想定外でもあった。「須江(航)先生的には4試合したかったようなので、怒られるかなと思います(笑い)」。甲子園がかかる夏の県大会前最後の公式戦。1回戦から決勝まで計4試合を戦い、経験値を積むというもくろみは外れたが、3連勝に照準を合わせる。

「(東北大会は)夏の県大会に向けての予行練習みたいな感じで、最後の公式戦になる。自分たちは『守り勝つ』をテーマにやっていて、守りからリズムをつくり、攻撃につなげるという形をこの大会でも貫き、最終的に優勝できるように頑張りたいです」

昨春の東北大会では、まさかの初戦敗退を喫した。延長11回を戦い、弘前学院聖愛(青森)に6-7で惜敗。ただ、自分たちの現在地を知り、その悔しさを夏にぶつけるという点では、意味のある1敗になった。当時、守備から途中出場した山田は「今、自分たちが持っている力がどれぐらいなのかを知れた試合でもあった。そこからもう1回チームを見直した結果、夏にいい形でつながった」。それ以降の公式戦で11連勝(不戦勝含む)。東北勢として春夏通じて初の甲子園優勝に輝いた。

初戦は秋田商-一関学院戦の勝者と対戦する。「1つ1つ勝ちながら夏につながるいい春にできれば」。今年は連勝街道を突っ走り、夏の甲子園連覇への足場を固める。【山田愛斗】

○…仙台商が16年ぶりに出場する東北大会で、いきなり対峙(たいじ)するのは優勝候補の花巻東だ。菅野琉心主将(3年)は「佐々木麟太郎選手が中心になってくる。その前に走者を出さないように自分たちができることを1つ1つやっていくだけ」と気を引き締める。ただ、ひるんではいない。チームメートとは「花巻東さんとか東北大会に出るからには強いチームとやりたい」と話しており、希望通りの対戦となった。

▽仙台一・広瀬友泉(ゆうと)主将(3年、対戦相手が八戸学院光星に決まり)「38年ぶりの東北大会で楽しみとワクワクが大きいという感じです。春先に練習試合をして、その時に力の差を感じたので、どれぐらい差が埋まったかを確かめたいと思います」