最後の夏は、父と一緒に甲子園へー。

第105回全国高校野球選手権山梨大会(7月8日開幕)の抽選会が22日、甲府市内で行われた。県立進学校で、夏4回春1回の甲子園出場を誇る日川は、三枝恭仁監督(50)と主将の恭也内野手(3年)が親子。文武両道を実践しながら、10年ぶりの甲子園出場を目指す。また、青森、岩手、秋田、山形、大阪、熊本でも抽選会が行われた。

  ◇  ◇  ◇

夢をかなえる時がきた。日川は初戦の相手が甲府城西と韮崎工の勝者に決まった。恭也主将は「同じ公立には負けられない。目標は優勝。小さいころから、お父さんと一緒に日川で甲子園に行くと決めて野球をやってきた」と言葉に力を込めた。

三枝親子の最後の夏が始まる。恭也が生まれる前から、父は公立で野球部の指導に携わり、13年4月、日川に赴任。コーチに就任するとその夏、甲子園に出場を果たした。小3だった恭也は甲子園のアルプスから声援を送った。2回戦では大阪桐蔭に敗戦するも善戦。「公立でも強豪私学と対等に戦える。かっこよかった。日川で父と一緒に甲子園でプレーする」と、そのときに誓った。

昨夏の山梨大会終了後、父は監督に、恭也は主将に就任した。2人は「グラウンドでは親子関係はない」と覚悟を決めた。恭也は先頭に立ち誰よりも声を出した。「父も高校、大学は主将として声で引っ張っていた」。一番の手本が目の前にいた。

春県大会の初戦、甲府西戦では恭也の暴投がきっかけで敗戦。三枝監督に「お前で負けた。自分でその借りを返さないとダメだ」と叱責(しっせき)され、自室にこもり悔しさをかみしめた。「自分には父と甲子園に行く夢があるんだ」。気持ちを奮い立たせ、笑顔でグラウンドに戻った。

今、グラウンドには大声でチームを引っ張る恭也の姿がある。三枝監督は「彼なりに『監督の息子』という重責もあったでしょう。最後は思い切ってやって欲しい」と見守る。恭也の夢は教員になること。「父が目標です」と、その背中を追い続ける。【保坂淑子】

○…山梨学院はセンバツVで夏連覇も懸かるが、チームのテーマは「チャレンジャー」。進藤天主将(3年)は「まずは(連覇は)考えず、チャレンジャーという思いを頭に入れて戦っていきたい」と足元を見つめた。春の県大会は準Vで「走攻守、全てにおいて改善してきた」とレベルアップを図った。現在は選手同士で注意し合うなど、意識も高く取り組めるようになった。「まずは甲子園出場が目標です」と力を込めた。

▽甲府工・天野憲信主将(春季県大会で優勝し)「注目されますが、悔いのないように1球入魂で力を込めて戦っていきます」

▽青洲・稲葉朝哉主将(希望選手12人による抽選で選手宣誓を引き当てる)「素直にうれしかったです。早速、宣誓の様子を頭に描いていました。この2年半と夏の大会への気持ちを伝えたいです」