第105回全国高校野球長野大会(7月8日開幕)の組み合わせ抽選会が24日、県内で行われた。上田西の横山聖哉内野手(3年)は、高校通算28本塁打でプロ注目の遊撃手。コロナ禍で最後はグラウンドに立てなかった昨夏の悔しさを晴らすため、春に続く県制覇を目指す。

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上田西の頼れる主砲が2年越しの無念を晴らす。春の県大会を制してV候補筆頭で臨んだ昨夏、大会期間中に体調不良者がチーム内に続出。準決勝ではスタメン5人を入れ替える事態となり、東京都市大塩尻に2-3で敗れた。横山もベンチを外れた1人で、自宅のテレビから戦況を見守ることしかできず、不完全燃焼で2年生の夏を終えた。「悔しかった。同じポジションの人が打席に立っているときは、自分が打つイメージで見ていた。先輩たちが大好きだったので悲しかったし、切り替えるのに時間がかかった」とショックは大きかった。

最上級生として迎える最後の夏は、「投手横山」のオプションを増やした。昨年、ほぼ未経験から本格的に練習を始め、今では最速148キロの本格派右腕に成長。公式戦では昨春以降登板はないが、吉崎琢朗監督(40)は「真っすぐだけでも抑えられる。すばらしい」と、「秘密兵器」としての起用をにおわす。横山は「内野の方が好きです」というが、地肩の強さがマウンドでも生きる。心身とも万全に仕上がった横山も「春の王者になったので、どのチームも上田西を倒しにくる。夏も勝てる保証はないので、太刀打ちできる気持ちを持って、気を抜くことなく準備していきたい」と気を引き締めた。

抽選の結果、初戦は伊那弥生ケ丘と対戦することが決まった。室賀公貴主将(3年)は「どこが来ても自分たちの野球をやるだけ」と意気込んだ。8年ぶりの甲子園切符を全力で取りに行く。【星夏穂】

◆横山聖哉(よこやま・せいや)2005年(平17)10月28日生まれ、長野県上田市出身。小2から上田リーグで野球を始め、中学は上田シニアでプレー。上田西では1年春にベンチ入り。同夏は外れたが、秋から再び遊撃手としてベンチ入り。50メートル6秒3。遠投100メートル。目標の選手は西武源田壮亮。181センチ、82キロ。右投げ左打ち。