ノーシードの東海大静岡翔洋が、2季連続甲子園を狙った第3シードの常葉大菊川を5-3で破り、2年ぶりに4強入りした。先発の松永郁己投手(3年)が5安打3失点完投。リードを守った。第5シードの藤枝明誠は、第1シードの加藤学園に5-2で逆転勝ち。6年ぶりに準々決勝を突破した。浜松開誠館、日大三島も勝利し、準決勝は27日に草薙球場で行われる。

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藤枝明誠の粘り強さが、優勝した2017年以来の4強に導いた。1点リードを許した最終9回1死二塁。この日、無安打の山田竣斗内野手(3年)が、右翼線に値千金の同点適時二塁打。さらに8回表に代走起用され、そのまま9番に入っていた1年生・井出尾(いでお)哲兵内野手が、右前適時打で一気に3-2と勝ち越した。「手応え十分でした。自信になった」と笑顔。8回まで散発3安打と湿った打線が、土壇場9回に4安打を重ねて試合を決めた。

光岡孝監督(45)は「よくがんばった。ベストゲーム」と選手をねぎらった。勝因を聞かれ「勝負どころでの守り。それが終盤のワンチャンスにつながった」。序盤2度にわたるピンチでファインプレーが飛び出し堅守を強調。「次も攻守でつないで粘るだけ」と、準決勝の浜松開誠館戦を見据えた。【山口昌久】