全国制覇への第1歩だ。ノースアジア大明桜が秋田商に5-2の逆転勝ち。2年ぶり11度目の甲子園出場を決めた。0-2で迎えた7回2死満塁、土田亮太内野手(3年)が右中間へ抜ける3点適時二塁打で逆転。この回に5得点を挙げ、秋田商を振り切った。第105回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)に出場する東北6県の代表校が出そろった。

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笑う門に福が来た! 5回に先制を許し、0-2。5、6回は3者凡退。7回も二ゴロ、三振と簡単に2死となったが、チームは笑顔を絶やさなかった。土田は「常に笑顔で『次、次』と。凡打してもエラーしても切り替えて、『まだ次があるから』と笑顔でやっていました」。7回2死から3連続四球で満塁、笑顔がもたらしたチャンスに土田は「みんなのことを信じて、自分もつなごうと」。2ボール1ストライクで迎えた4球目、やや内角の直球を振り抜き、走者一掃の3点適時二塁打。3-2と試合をひっくり返した。

今春の県大会。チームは5試合計26得点で頂点に立ったが、土田はわずか1安打。しかし、今大会は3回戦・本荘戦で試合を決定づける3ランを放つなど5試合、6安打8打点の大活躍。「なんとしても打つという気持ちで今大会に臨みました」。強い気持ちが最高の結果に結びついた。

全員が強い気持ちで臨む。チームのテーマは“1戦決勝”。初戦から決勝戦と設定し、勝ち越し、逃げ切り、コールドなどさまざまな形で勝ち抜いてきた。“5回目の決勝戦”は逆転勝ち。猪原空駈斗(たかと)主将(3年)は「1戦1戦厳しい試合ばかりだった。その中でメンバーだけでなくスタンドの人たち全員で勝ち切ることができた。このメンバーだからこそ優勝できたかなと思います」と振り返った。目標は全国制覇ただ1つ。聖地でも“1戦決勝”で勝利を重ね、頂点まで上り詰める。【濱本神威】

◆Vへの足跡

2回戦9-6角館

3回戦4-3本荘

準々決勝14-3大館桂桜

準決勝3-1秋田中央

決勝5-2秋田商