全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)に初出場する新潟県代表の東京学館新潟は29日、自校で1時間30分ほど打撃練習を行った。新潟大会でチームトップの打率6割1分9厘をマークした1番打者の佐藤明日葵(あすき)左翼手(3年)は好調を維持する。新潟大会8盗塁の足も武器。甲子園でもリードオフマンとして打線の火付け役になる。

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「甲子園に向けて、いい準備ができている」。佐藤は淡々とした口調の中に自信をにじませた。この日の打撃練習は「緩い変化球で崩されないように」をテーマにしていた。

新潟大会では21打数13安打でチームトップの打率6割1分9厘を誇った。出塁率も6割9分2厘で1番打者として最高の働きをした。それでも「まだ課題がある」と本番まで実力アップに注力する。旅川佑介監督(41)も「甲子園でも佐藤が塁に出ることが前提」と期待を寄せる。50メートル走5秒9とチームNO・1の俊足で新潟大会では8盗塁も記録。佐藤は「出塁して足を生かす」と役割を自覚している。

今春から1番・左翼手に定着。小学生時代から1番が指定席も、高校では昨秋までは控えだった。「また1番を打ちたかった」と冬場、グリップを支点に大振り気味になっていた打撃フォームをコンパクトに振るように修正した。「(以前は)長打を狙いたい気持ちもあった」と迷っていたが、今は「低く強い打球を打つ」を徹底。新潟大会13安打のうち長打は二塁打が1本であとは単打。努力の成果を見せて初優勝に貢献した。

東京学館新潟に進学したのは「日本文理、中越といった甲子園常連校を倒し、まだ出ていない高校から甲子園に行きたかったから」。1つの目標を達成し、次のターゲットは甲子園での初戦突破。「そのためにも自分が出て中軸につなぐ」と仕事をやり切る決意を示した。【斎藤慎一郎】

◆佐藤明日葵(さとう・あすき)2005年(平17)5月12日生まれ、新潟市出身。両川小2年で軟式野球を始め、両川中では少年硬式野球の新潟江南シニアに所属。ポジションは主に遊撃手。東京学館新潟に進学し1年秋からベンチ入り。3年春からレギュラーの左翼手。170センチ、73キロ。右投げ右打ち。