仙台育英の世代最速の剛腕がうなった。3回戦の履正社(大阪)戦に続き、最速153キロ右腕の湯田統真投手が先発。4回1安打8奪三振無失点と中1日の疲れを見せず、花巻東打線を圧倒した。

強敵相手にギアが上がった。佐々木麟の第1打席で、5球目に今大会最速の151キロをマーク。初球110キロのカーブ以降は、7球すべて直球勝負。「自分のマックスをぶつけて、流れを持ってこようと考えていました。勝手に出力が上がった」。最後は149キロ直球で投ゴロ。第2打席は変化球を織り交ぜながら、最後は「少し浅めにはさんだ」134キロのチェンジアップで空振り三振。岩手の怪物を封じ込めた。須江航監督(40)は「素晴らしかった。ブルペンで良かったのできっとやってくれると思った。湯田さまさまです」と称賛。佐々木麟との打席については「佐々木くんが湯田に合わせてくれているように見えた」と錯覚するほどの投球だった。

史上7校目の連覇まで、あと2勝。湯田は「次勝たないと決勝はない。1戦必勝を忘れずに」と気持ちを引き締めた。須江監督は「東北勢で残ったのがうちだけになった。6県分の思いを持って次も頑張りたい」。指揮官が強調する「2度目の初優勝」に向かって、投打とも死角は見当たらない。【濱本神威】

◆仙台育英が4強 仙台育英が2年連続4強入り。過去は春1度、夏3度の4強以上があり、準決勝無敗の学校では史上最多となる4戦全勝をマークしている。前年優勝校の4強は06年駒大苫小牧以来、延べ15校目。

◆宮城対鹿児島 準決勝で仙台育英と神村学園が対戦。過去の宮城県勢対鹿児島県勢は春夏計6度の対戦で3勝3敗。仙台育英と神村学園は15年春に対戦し、仙台育英が18安打を放ち12-0で大勝している。