横浜(神奈川)を率いて甲子園にも出場経験のある平田徹監督(40)が秋の県大会2勝目を手にしてベスト8進出を決めた。

先発したエースの福富耀平投手(1年)が初回こそ失点したが、2回以降は立ち直った。「得意なスプリットが効いた」と落ち着いた投球で追加点を許さず。9回7安打1失点で完投勝ち。好投手の神戸弘陵・村上との投げ合いに勝ち、「自信になった」と手応えをつかんだ。

今春に村野工から校名を変えた彩星工科。夏は1勝を挙げることができなかったが、秋は勝ち進んでいる。ベンチ入り20人中16人が1年生。福富も「監督が代わるのでチャンス」と甲子園を目指して入学した。平田監督の横浜時代の経験も聞くことがあるといい、「基礎の練習を身につけてやっているので、今も勝ち上がっていると思う」と教えを生かしている。

守備から敗れた相手とは対照的にノーエラー。「ピッチャーが四球出さない。それからエラーを出さない。これができているからこういう試合運びができている」とナインをたたえた。好投した福富にも「よく投げた。毎試合安定した力を発揮してる。調子の波がなくて必ず試合を作ってくれる。嫌な流れでも一番落ち着いているので本当に頼もしい」と絶賛する。

彩星工科は村野工時代に78年春、91年夏、92年春と3度甲子園経験がある。だが最後の出場から31年遠ざかっている。兵庫で3位以内に入れば近畿大会に出場でき、センバツ出場にも近づくが、平田監督は冷静。次戦は30日に須磨翔風と対戦が決まり、「一戦必勝ですね。1週間かけて次の対戦相手に準備する。それだけですね」と強調する。ルーキーズたちを率いて再び聖地を目指す。