今夏の甲子園で16強入りした履正社(大阪)が、同4強の土浦日大(茨城)に土壇場で逆転負けを喫し、7年ぶり2度目の国体優勝を逃した。試合後、多田晃監督(45)は「3年生だけで臨んでベンチの雰囲気も良くてね。いい試合だっただけに、最後に何とか勝たせてやりたかったなと思うんですけど、残念な結果になって悔しいですね」と肩を落とした。

暗転したのは2点リードで迎えた最終回だった。7回から4番手でマウンドに上がっていた、プロ注目の最速151キロ左腕・福田幸之介投手(3年)が9回に3失点。1点差に迫られ、なお2死一、三塁の場面。一ゴロに打ち取るも、一塁ベースカバーに入った福田が捕球できず(記録は内野安打)。三塁走者が生還で同点となり、一塁送球へのボールが転々とする間に、一塁走者までホーム突入。慌てて福田はホームに送球したが、右へそれ、あと1死のところで逆転を許してしまった。指揮官は「必死にやってくれた結果。試合が終わってから泣いている子もいて、本気で国体を戦ってくれてね。3年生は最後に悔しい思いが出たんじゃないかな。この経験を生かして、次のステージに行ってもらいたいですね」とこの敗戦を糧に、さらなる飛躍を期待していた。

今大会は雨天順延の影響で日程変更があったため、大会規定によって当初予定されていた決勝は行われず、準決勝に勝っても負けても3年生にとってはラストゲームだった。多田監督は「試合前に選手には『最後のゲームになるから一緒に頑張ってやっていこう』と話もして、最後こうして本気でいいゲームができて、3年生には感謝してます。(夏の)甲子園出場した8校しか出られない国体は素晴らしい大会だと思っているんで、監督として3年生と一緒に来られて、うれしい思いで一杯ですね」とねぎらいの言葉を口にし、喜びに浸った。

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