青森山田(東北・青森)が、星稜(北信越・石川)に2-3で惜敗。初回に4番・原田純希(あつき)内野手(2年)が中前適時二塁打を放ち1点を先制。最高のスタートを切ったが、以降は散発4安打と打線がつながらず、9回に1点を返すのがやっと。先発のエース右腕・関浩一郎投手(2年)が、3回に喫した3失点を巻き返せなかった。

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神宮大会前、原田は「ファーストストライクから振りにいきたい」と宣言。初回2死一塁、その言葉通りに初球から魅せた。1球目、136キロ直球をフェンス直撃の弾丸ライナー。打球は惜しくも右翼線を切れたが、相手に威圧感を与えるには十分な一打だった。6球目の134キロ直球を打ち上げ、打球は深く守っていた中堅手の手前へ。その間に一塁走者・對馬(つしま)陸翔外野手(2年)が快足を飛ばして一気に生還し、先制。原田は二塁上で力強くガッツポーズした。

1-3で迎えた9回、東北大会では内野安打1本だった3番對馬が、左翼手の左を一瞬で抜ける高速ライナーで無死二塁。對馬の一打にベンチは大盛り上がり。ネクストバッタースボックスで見ていた原田は「自分が打って、しっかりチャンスをつくってやろうと思った」。初球、外角ギリギリの直球を見逃し、2球目。「初球が真っすぐで、もう1球真っすぐはないと思った。変化球を張っていました」。2球目は外に逃げるスライダー。予想通りだったが、バットにひっかけて一ゴロ。原田は「悔しいです…」と言葉を絞りだした。

7回にはファーストストライクを強振。中堅への鋭い当たりで中堅手がもたつく間に二塁を陥れるなど、「ストライクを取りに来た球を打ち返せたので、そこは良かった」と、自身の打撃に手応えはあった。出場確実なセンバツに向けては、「1本を決めきることができなかった。チャンスもつくりつつ、自分に回ってきたチャンスでも返せるように」。次こそは-。青森山田の4番が成長を誓った。【濱本神威】

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