日本高野連が8日、来春の第96回選抜高校野球大会(24年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表し、北海道地区では部員16人で秋季全道大会4強入りの別海が選ばれた。甲子園出場経験のない別海がセンバツ出場を果たせば、日本最東端の甲子園出場校となり、釧根地区では初の21世紀枠での出場となる。21世紀枠2校が選出される24年1月26日の選考会まで、吉報を願いながら練習に励む。

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別海が日本最東端の甲子園出場校になるチャンスをつかめるか。日本高野連が8日午後3時に推薦校9校を発表。授業を終えて、集まってきたメンバーに島影隆啓監督(41)が北海道地区の推薦校に選ばれたことを伝えた。「(来年の)1月26日に選ばれる学校になれるように、意識高く取り組んでいきましょう」と促した。

21世紀枠は島影監督にとっても悲願だ。武修館で監督を務めていた07年と09年に地区推薦校に選ばれたが、いずれも翌年のセンバツ出場は逃した。「三度目の正直になるのか分からないが、落選の経験があるので、そこは浮かれずに」と気を引き締めた。エースの堺暖貴(2年)は、センバツの舞台で別海町をPRする姿を思い描く。「別海の牛乳は有名だと思うけど、また知名度が上がればうれしい」と意気込む。

21世紀枠2校の発表までの期間は練習だけでなく、アルバイトにも精を出す。部では冬休み期間中のアルバイトを奨励しており、例年は練習始めは冬休み明けになる。センバツを見据え、例外として1月6日から練習を開始するが、年末年始は例年通りアルバイト優先の方針を崩さない。島影監督は「道具代や遠征費を稼ぎながら少しでも親への感謝を感じてほしい」と意図を話した。

毎年2月に実施している町内の保育園での除雪作業など、地域との交流を大事にしてきた。次は甲子園出場で町民を沸かせる最大の地域貢献に挑む。捕手の中道航太郎主将(2年)は「私立校に行くことも考えたが、地元を野球で盛り上げたい気持ちがあって別海を選んだ。たくさんの人に支えられてきたので、地域に結果で恩返ししたい」と、大舞台に挑戦できるチャンスを願って吉報を待つ。【石井翔太】