戦国東都で研さんを積む。仙台育英の橋本航河外野手(18)は東都大学リーグの中大へ進学。「スコアボードの『R』は、走って点を取るから『RUN』」という須江航監督(40)の金言を胸に、自慢のスピードで攻守にわたって躍動する。

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広島から宮城への野球留学の決め手は、入学前、指揮官と面談した際に言われた言葉だった。指揮官が「スコアボードの『R』って何だと思う?」と問いかけ、続けて「『R』は『RUN』だよ。走塁が大事だから、走って点を取るから『RUN』なんだよ」。その言葉で「このチームの野球への意識、野球への理解を知って、自分に合った野球ができると思いました」と入学を決意。2年夏の甲子園から1番打者を務め、リードオフマンとしての才能が開花。俊足巧打で何度もチームにチャンスをもたらした。夏の甲子園では2、3年合わせて、11試合で11回ホームに生還。金言を見事に体現してみせた。

「大学でもレベルの高いところでやりたい」と、次の舞台に中大を選んだ。夏の甲子園の通算安打で歴代最多がかかった決勝でも、世界一がかかったU18W杯でも、気負うことはなかった。戦国東都にも不安はない。「試合やるからには野球を楽しむしかない。楽しまないと野球はうまくいかないので」。指揮官が「(橋本は)すごく緊張したりだとか視野が狭くなったりしない。マイペースを貫いている」と語るように、自分のペースは一切崩さない。大学に向けては「これまでやってきたことをずらさずに。足を生かした攻撃と守備、走攻守そろった選手としてやっていきたい」と意気込んだ。今まで通り、いつも通り。自分のペースで戦国東都を駆け抜ける。【濱本神威】