第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場校が26日、決定する。今回から21世紀枠などが1減し、東北地区などが1増。選考委員会が注目される。能登半島地震の被災地にある日本航空石川は、山梨県に練習拠点を移した。星稜(石川)の神宮大会Vで北信越地区にもたらされた「神宮大会枠」での選出はあるか。前日も山梨県内で練習を実施。母校から離れた土地で、吉報を待っている。

  ◇  ◇  ◇

2拠点で吉報を待つ。能登半島地震で被災した日本航空石川は、19日から本格練習を再開した山梨・富士川町の増穂商(22年3月閉校)グラウンドでセンバツ選考前最後の全体練習を行った。

グラウンドを広々と使い、打撃練習などで汗を流した主将の宝田(ほうだ)一慧外野手(2年)は「みんなお昼くらいから緊張していました。山梨に来ていない選手もリモートで(出場校発表の視聴に)参加するので、もし選ばれたら全員で喜びを分かち合いたい」と笑顔で練習を締めた。

部員は総勢67人も、受け入れ枠の関係で32人の主力選手のみが山梨で練習を行っている。同校は被害の大きかった石川県輪島市内に校舎を構えており、残った35人の選手は、それぞれの自宅で自主練習に励む日々。中村隆監督(39)は「顔はちょっと見られないんですけど、オンライン授業で使っている『チームス』っていうツールで、センバツ選考のモニターをみんなで見られるように」と、自宅にいる選手たちと同じ画面を共有し、一体感を味わいながら、26日のセンバツ選考を見届けるつもりだ。

練習後にはご褒美が待っていた。富士川町内「いち柳ホテル」のキッチンカーが登場し、夕食に10時間煮込んだカレーと卵スープが提供された。サプライズに「全然知りませんでした」と目を輝かせた選手たちは勢いよくカレーを頬張った。英気を養い、ご褒美の一報を待つ。【佐瀬百合子】