第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が8日、大阪市内で行われた。

21世紀枠で春夏通じて初出場の別海(北海道)は、20日第1試合で創志学園(岡山)とぶつかる。捕手の中道航太郎主将(3年)は、事前に分けられたブロックで、最後に残った14番を引いた。選ぶ余地のない最後のくじを引き「残り物には福があると思って待っていた。いいくじが引けたと思います」と振り返った。

その残り物には福があった。酪農業を営む遊撃手の影山航大(3年)の父健一さん(50)に甲子園で応援できる可能性が出てきたためだ。酪農家が休みを取るには、牛の世話を酪農ヘルパーに委託する必要がある。健一さんは20日以降しかヘルパーを確保できていなかった。19日の夜から頼めるヘルパーが見つかれば翌日午前9時からの試合に間に合う見込みだ。

抽選により現地観戦の望みをつないだ健一さんは「試合が20日になってひとまず安心した。何とかヘルパーを探して応援に行きたい」と話した。昨秋の中国大会準優勝校相手の1回戦に向け、島影隆啓監督(41)は「生徒にとっても一生に1度のこと。1人でも多くの親でアルプススタンドを埋めてほしい」と願った。