報徳学園(兵庫)が準優勝した昨春に続いて2年連続で8強入りを果たした。1932年創部の同校はこの試合が甲子園100試合目。先発を託された主将の間木歩投手(3年)が8回1失点に、バットでは1安打2打点と投打で活躍。春夏3度全国制覇した名門校の記念すべき試合で快勝に導き、花を添えた。聖地101試合目は昨秋の近畿大会で敗れた大阪桐蔭と激突する。

   ◇   ◇   ◇ 

メモリアルゲームに花を添えたのは背番号1で主将の間木だった。報徳学園の甲子園100戦目で投打にわたる活躍。「記念すべき試合を自分に任せると言ってくれたので、責任を背負いながら100戦目にふさわしい試合ができた」と充実感たっぷりだった。

期待に応える気迫の投球だった。大角健二監督(43)から「節目でキャプテンがしっかり働いてほしい」と先発を任された。序盤からピンチを背負う度に抑えてほえて仲間を鼓舞。乗せられるかのように打線もつながった。3回に先制点を奪うと、4回には「自分的にも結構楽になった」と自らの適時打で追加点。5回にも3得点で突き放した。

五・一五事件が起こった1932年(昭7)に創部。61年夏に初めて聖地を踏んでから全国制覇は春夏3度を数える名門校。その中でも投手の主将は珍しく、OBの大角監督も「歴史の中で記憶にない」と話すほど。「引っ張る姿」を買われて主将に選出。学力も必要な特進コースに所属し、授業のため練習時間も他の部員よりも短い。それでも勉強との両立もこなし、登板外でも堂々とした振る舞いで仲間をけん引する。

投げては8回5安打1失点。打っても1安打2打点とまさに主将としての役割を存分に発揮した。それでも「全員で勝てたのは財産」と周囲を立てた。次戦は昨秋の近畿大会で3-4で敗れている大阪桐蔭戦。「一番のライバルで倒さないといけない敵。そこは意識しながらチャレンジャー精神でしっかり戦っていきたい」。撃破した先には昨年あと1勝で逃した頂点が視界に入る。【林亮佑】

○…報徳学園の西村が、今大会初となる4安打の固め打ちで奮闘した。「3番三塁」で出場。初回に左前打を放ち、3回1死二塁から左前打を放ち、先制点につなげた。5回先頭では右前打で3点追加の口火を切ると、8回には一塁への内野安打をマーク。西村は「初戦(愛工大名電戦)はピッチャーが頑張ってくれたので、今日は野手が頑張ろうっていうところで挑んだ結果がよかった」と話した。

報徳学園・斎藤(3回に2試合連続の決勝打となる中前適時打)「(先発の)間木を助けたいというか、連戦なので、野手が打って楽をさせたいと思いながら打席に入っていたので、その結果が出てよかった」