福島大会では田村が、昨秋準Vの東日本国際大昌平に6-5でサヨナラ勝ち。大桃怜也外野手(3年)がサヨナラ打を含む3安打で、11大会ぶりの4強入りに貢献した。

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大桃がチャンスに強くなって帰ってきた。田村は1点ビハインドで迎えた9回裏、相手暴投で1点を返し、2者連続の申告敬遠で打席が回ってきた。「自分が打って、みんなの笑顔が見たい」。その一心で、カウント2-2から低めスライダーを振り抜いた打球は左翼へ。その瞬間、笑顔で仲間がベンチから駆け出してきた。見たかった景色に「やってやったぞ」と力強くグラウンドを踏みしめた。

忘れられない打席がある。昨秋の県大会初戦の平工戦、背番号9をもらい、スタメン出場に意気込んでいたが、満塁の好機で空振り三振に倒れた。チームも初戦敗退。「ずっと自分の心の中にあって、一冬で越えたらまたチャンスが回ってくる。1球1球に強い思いを込めて練習に励みました」。強い信念とともにスローボールを打ち込み、春を迎えた。

だが、アクシデントが起こった。2週間前、練習試合で左手首の軟骨を負傷し、満足に練習ができなかった。片手でのスイング練習と、仲間のサポートに徹した。「誰よりも声を出そうと、けがのおかげで力まないでミートできたのかな」とプラスに変えた。まだ痛むが、4打数3安打2打点猛打賞。執念だった。

次は昨夏に1-8で敗れた学法石川戦だ。当時、スタンドで見ていた大桃は「先輩方が悔しい思いをしたと思う。自分たちが絶対に勝って、先輩たちの思いを返せるようにしたい」。雪辱を誓い、27年ぶりの決勝を目指す。【高橋香奈】