<センバツ高校野球:智弁学園2-1中京大中京>◇29日◇準決勝◇甲子園

日刊スポーツはセンバツ期間中、負けチームにもスポットを当て、「胸張ってイイじゃん」と題して球児たちの奮闘に迫ります。

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母子の絆が生んだ0封劇だった。中京大中京・安藤歩叶(あると)投手(3年)は、昨秋の雪辱を胸に甲子園のマウンドで躍動した。29年ぶり決勝をかけた大一番。5回3安打無失点。スコアボードに「0」を並べ、エースの責任を果たした。

「秋と同じ近畿のチームにミスをしないようギアを上げました」。丁寧にゾーンで勝負することを意識。先頭打者でも打ち取れば「シャー!」と雄たけびを上げた。背景にあるのは母亜以子さんとの衝突だ。昨秋の明治神宮大会、神戸国際大付戦で3本塁打を浴び、4回途中5失点。0-7の7回コールド負けした。中継から流れる「まだ体が細く期待の選手です」という言葉が突き刺さった。

好き嫌いの多い息子に、本気で食トレに向き合ってほしかった。

亜以子さん 楽な方は選ばないよね。これからは苦しい道を選択しなさい!

歩叶 もう、わかっている! 

反発しながらも向き合った食トレで体重は7キロ増。ひと回り大きくなった体で挑んだ。チームは惜敗したが、高橋源一郎監督(46)は「賢い子。伝える以上のことを考えてくれて今後も期待したい」と伸びしろに太鼓判を押した。安藤は「家族には感謝の気持ちです」と、悔しさを抱えつつも、確かな成長を感じとっていた。夏への成長曲線は続いていく。【中島麗】