夏の甲子園に木造、弘前実で通算5度出場した青森の高校野球指導者・外崎忠彦氏(62)が、母校の東奥義塾野球部監督に就任することが16日、分かった。東奥義塾は夏の甲子園に4度出場の伝統校だが、81年を最後に甲子園から遠ざかっている。外崎氏の就任は名門復活に大きな力になるとみられ、青森球界にも影響を与えそうだ。

 外崎氏は昨年3月に深浦高(現木造高深浦校舎)の校長を定年退職した後、同11月に東奥義塾野球部の総監督に就任した。だが体調を崩し、今春辞任した。体調も回復、今度は監督として第一線で指揮を執る。20日付で就任、同日から指導に当たる予定だ。

 指導力には定評があり、実績もある。木造で初の甲子園に出場した82年は、佐賀商に危うく完全試合というノーヒットノーランを喫した。だが、91年には弘前実を率いて川之江(愛媛)を破り、スタンドを沸かせた。弘前実時代の教え子に日本ハムの工藤隆人外野手がいる。

 東奥義塾は、青森の私立校で最初に甲子園に出場した名門。だが近年は青森山田、光星学院などに後れを取り、昨夏と今夏は青森大会初戦で敗退した。今回は、外崎氏の弘前実時代の教え子で同校監督の工藤秀樹氏(30)が同校を退職。東奥義塾野球部の部長に就任し、師弟コンビで名門復活を目指す。

 青森高校球界は、青森山田が夏5連覇中で、光星学院は秋季東北大会優勝で来春センバツが当確。来季も激戦が予想される。その荒海に、東奥義塾が外崎新監督のかじ取りで船出する。【北村宏平】