<高校野球大阪大会:履正社10-0東>◇24日◇5回戦◇舞洲ベースボールスタジアム

 春の近畿王者の履正社が東に6回コールド勝ち。背番号13の元エース東範幸(3年)が6回1安打無失点と安定感抜群の投球で春の近畿王者の強さを見せつけ、6年連続8強入りした。

 東が東を完封した。履正社の左腕・東が、東打線を6回1安打0封に抑え、8強入りを決めた。背番号13だが、前回登板、港との3回戦では5回参考ながら無安打無得点試合を達成した。2試合11イニングで1点も与えないどころか、許したのはわずか1安打。それも内野安打の完璧投球が続く。

 「空振りがとれるほど、真っすぐが走っていた」。チームのスピードガンでこの日の最速は138キロだったが、キレ味を加えて球速以上の威力があった。冬に筋力トレーニングに励み、たっぷり走り込んで体重は5キロ増。「真っすぐに対する自信がついた」と話す手応えが、今夏の投球につながっている。

 岡田龍生監督(52)も「エース東野、阪本、酒井と(東の)4人の投手はいい競争心を持っている。その中で東は春からよくなった」と評価する。東は1年秋から2年春まで背番号1をつけていた。しかし故障もあり、調子を崩して今は2桁背番号。しかし、気持ちは切り替わっている。「もう背番号へのこだわりはない。与えられたチャンスの中で1人1人どんどん攻めていくだけ」と言い切った。

 今大会は同じ左腕のエース東野龍二投手(3年)と交互に先発マウンドに上がる。このままの順番でいけば準決勝が東、そして決勝は東野。決勝では、2年連続で大阪桐蔭と激突する可能性がある。東は「桐蔭へのライバル意識はある。それまでの準備はしっかりしている」。共闘を誓いつつ、決戦のマウンドに上がる意欲も持ち続ける。

 ◆東範幸(ひがし・のりゆき)1995年(平7)6月9日、大阪・池田市生まれ。五月ケ丘小1年から「池田AG」で投手として軟式野球を始める。渋谷中では硬式の「全池田ボーイズ」に所属。履正社では1年夏に背番号18でベンチ入り。好きな投手は阪神能見。175センチ、80キロ。左投げ左打ち。