<高校野球山梨大会:日本航空8-1甲府商>◇18日◇準々決勝◇山日YBS

 伝説のアメフットDNAを、球児の息子が引き継いだ。日本航空の4番佐藤勝多内野手(3年)が4点リードの4回1死一塁で、甲府商を突き放す2戦連発アーチ。「初めから振り抜くことを意識した」と主砲らしく、3安打2打点の働きで2年連続の4強進出に貢献した。

 父知浩さん(49)は元アメフット選手。花形のクオーターバック(QB)として日大桜丘-日大でプレーし、社会人1部のXリーグでも14年間活躍。日大では3、4年時に大学NO・1を決める甲子園ボウルに出場。ともに敗れたが敢闘賞に輝くなど、京大のQB東海辰弥氏と名勝負を演じた。佐藤も幼少時には家族で東京ドームなどにアメフット観戦に訪れたが、影響を受けたのは野球だった。知浩さんは「本人がやりたいことを、思いっきりやってくれれば、それでいい」と自主性に任せた。父譲りの地肩の強さで三塁を守り、高校通算21本塁打を誇る。

 1番を任された昨夏は、決勝で涙をのんだ。準決勝は春の関東王者・山梨学院大付との大一番。「ここからが本当の戦い。気持ちを強く持って臨めれば」。競技は異なれど、父も立った甲子園の舞台まで、あと2勝だ。【鈴木みどり】