<高校野球岩手大会:久慈東7-0盛岡農>◇19日◇4回戦◇花巻球場

 久慈東が盛岡農を7回コールドで下し、初の8強入り。エース右腕の小田晃(3年)が超スローボールを交える余裕のピッチングで7回3安打完封した。

 山なりのボールが好調を示していた。5回裏1死、久慈東・小田が盛岡農の8番武田に投じた2球目は超スローボール。2日前の久慈戦は接戦で使えなかったが、この日は先に5点のリードをもらい「気持ちに余裕を持って投げられた」と、直球、変化球の合間にゆるい球を交えて、球場を盛り上げた。

 昨年9月、秋田・大館工との練習試合で相手投手が投げているのを見たのが取り入れたきっかけだ。以来、「打たれてもいい。意表をつくため」と積極的に試合で使ってきた。小田を含めた投手5人全員が操る久慈東おなじみのボールだ。

 7回表無死二、三塁のピンチも、続く3人を冷静に抑え完封した。帽子のつばの裏には母哉子さん(48)が書いてくれた「一球に集中」の文字。この大会前にはいつの間にか「魂を込めて」と書き加えられていた。小田は「今日は最後まで集中が切れなかった」と満足げだった。【高場泉穂】