<全国高校野球選手権:甲子園練習>◇4日

 第96回全国高校野球選手権(9日開幕)の南北海道代表・東海大四が甲子園練習に臨んだ。雨によるグラウンドコンディション不良で、人工芝でウオーミングアップ後、室内練習場に場所を移して打撃練習などを行った。東海大四は、同じ東海大系列の東海大甲府(山梨)と入れ替わりで練習。系列では最多の4校が出場する今大会で、まずは“東海グループ”の最強を目指す。

 目の前の縦縞を、意識せずには、いられなかった。胸には同じ「Tokai」の文字。微妙に異なるのは下地の色と、ストライプの幅くらいだ。甲子園のスタンドで東海大甲府の練習を見守った東海大四の高田渉主将(3年)は「東海大系列と対戦してみたい。うちが一番強いというのを見せたいですね」と、メラメラと闘争心を燃やした。

 ライバルとはいえ、系列校の存在は心強くもある。記念撮影の時だった。甲子園練習に参加した3年生全員を含む32人がグラウンドに整列したが、1人だけ帽子がない。とっさに日下部憲和部長(62)が東海大甲府の選手から帽子を借りるファインプレーで、事なきを得た。帽子を借りて整列に加わった塩地勇斗マネジャーは「不幸中の幸いです」。東海大四は丸帽子、東海大甲府は角帽子と違いはあるが、一見では分からない。故障などを理由に、一時は野球部を離れたものの、高2の春からマネジャーとしてチームを陰で支えてきた3年生は、こうして記念撮影の整列に加わった。

 東海大系列野球部名誉総監督の原貢氏(享年79)の逝去から、約2カ月。今大会は、過去最多4校の系列校が出場する。塩地は「僕はもう、グラウンドに入る機会はないでしょうけど、みんなには、集大成の場所で全力でプレーして欲しい」と願いながら、サポート役に徹するつもりだ。いよいよ始まる夢舞台。東海大系列最強が、日本一につながると信じている。【中島宙恵】