<全国高校野球選手権:甲子園練習>◇4日

 雨によるグラウンド不良で室内での練習となったが、初出場の角館は、秋田大会で左肩を脱臼した佐藤星太内野手(3年)が、甲子園での出場を熱望した。

 角館の守備の要、佐藤が甲子園で完全復活を目指す。2年春から1番遊撃手でレギュラー。湯沢淳監督(39)が「彼がいないとチームのレベルが格段に下がる」と信頼する選手だが、県大会3回戦能代戦でアクシデントに見舞われた。三遊間のゴロを捕球する際に左肩を脱臼。準々決勝、準決勝と休み、決勝で復活を果たしたが、まだ完全に治ったわけではなかった。

 2日に大阪入りする直前、左肩をかばうあまり今度は背中に張りが生じた。この日の室内での打撃練習でもバットを振り切れない状態だった。湯沢監督は「間に合うかな…」と不安を口にしたが、佐藤自身は「トレーナーも大阪に来るし、何とか万全の状態にしたい」と、出る気満々だ。

 165センチと小柄でも力強いバッティングができるのは小2から7年間続けたクロスカントリーで全身の筋力を鍛えたおかげ。「県大会より守備範囲を広く、打撃も打率を上げたい」と佐藤。回復し、持ち前の勝負強い打撃で初勝利に貢献する。【高場泉穂】