<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 初出場の利府(宮城)は大会第3日第3試合で、全国優勝の経験がある佐賀北との対戦が決まった。佐賀北を模範とし、監督と選手が交換ノートを始めた縁がある。

 利府が夏の初陣を飾るのには、格好の相手になった。07年「がばい旋風」で日本一になった佐賀北と激突。佐賀大会5試合中4試合が1点差勝ちと、接戦に強い。くじを引いた上野幹太主将(3年)が気を引き締めた。「ミスをした方が負ける。バントなどしっかり決めたい」。

 穀田長彦監督(44)は、縁を感じていた。部長を務めていた08年1月。宮城県内で行われた監督勉強会で、佐賀北の百崎敏克監督(58)が講演した。その時、日本一になった1つの要因に、監督と選手が「交換ノート」をしていることを明かしたという。出席した当時の小原仁史監督(51=現黒川監督)が早速、導入。選手が練習への思いや、日常生活の悩みなどを毎日のように書くことで、利府に「考える野球」が徐々に浸透していった。

 今年4月からチームを率いる穀田監督も、2、3年生57人と交換ノートを継続した。「テストの採点より大変」と笑うが、大混戦の宮城大会を制した1つの支えになった。「対戦できて光栄です」と、同監督は佐賀北との対戦を喜んだ。

 大会第3日(11日)の試合も歓迎材料だ。くじ順32番目で第1日に空きが多かったが、上野主将はその日程を外した。4日の甲子園練習はグラウンド不良で室内に限られ、選手は球場全体の雰囲気を味わっていない。穀田監督は「観客席に入って甲子園を見せて上げたい」と、開幕後の試合観戦を検討している。

 聖地を見渡して、佐賀北・百崎監督への恩返しへ-。利府の夏本番がいよいよ始まる。【久野朗】