<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 初戦突破でレジェンド先輩と対面だ。南北海道代表の東海大四は第4日第2試合の1回戦で九州国際大付(福岡)と激突する。勝てば2回戦が予定される17日はOBのジャンプ選手、葛西紀明(42)が甲子園を訪れる予定で、“御前試合”の実現となる。

 東海大四・高田渉主将(3年)の左手が、ピンポイントでチームにとって、願ってもないカードを引き当てた。

 予備抽選の結果、49代表校中、トップバッターでクジを引き、手にしたのは大会第4日第2試合。初戦に勝って、順調に大会日程が消化された場合、2回戦が行われる第9日は17日。この日は、同校のOB“レジェンド”こと葛西が、テレビ番組の収録で甲子園を訪れる予定になっている。初戦突破の鍵を握るエース西嶋亮太(3年)は「絶対に勝って、試合を見せたい」と一気にモチベーションが跳ね上がった。

 願いを実現するためには、難敵が立ちはだかる。初戦の相手は、東北(宮城)でダルビッシュ(レンジャーズ)らを育てた名将、若生(わこう)正広監督(63)率いる九州国際大付(福岡)。地方予選で7本塁打は出場校中3位タイという強力打線が看板で、4番の清水優心(ゆうし)捕手(3年)は高校通算35本塁打を誇る。

 西嶋は、思わず「最悪です。これは強すぎますよ」と苦笑いだったが、大脇英徳監督(39)は「良くも悪くも投手次第。はまるか、ボコボコにやられるか。(強打相手の方が)西嶋自身はやりやすいのでは」。予選全7試合に登板し、切れ味抜群のスライダーと超スローカーブで打者を幻惑した背番号1の負けん気に、期待を寄せた。

 大脇監督が主将として出場した93年夏も、初戦は福岡代表と対戦して勝利した。吉兆の夏。スキー部をはじめ、バレーボールやバスケットボールも強豪の同校で「野球部の時代が来たというのを見せたい」と、高田主将の言葉は力強い。21年前の再現で、レジェンドへ勇姿を見せる。【中島宙恵】