<高校野球南北海道大会:函館大有斗5-0函館ラサール>◇22日◇函館地区2回戦

 函館大有斗が2年生エース工藤翔太の好投で、函館ラサールに5-0と完封発進した。工藤は2回に2安打を許したが、それ以外の回を無安打に抑え、四死球も1だけ。早めに追い込み、打たせて取る投球で三塁を踏ませなかった。

 9回2死から初めての四球を許した。それでも後続を三塁ゴロに打ち取り完封達成。許した安打はわずか2。だが奪三振も7にとどまった。春の大会後「三振狙いを捨て、打たせて取る」という投球に自己改革した2年生エースらしい内容だった。

 7回で14奪三振の経験もある本格派。春季地区予選の函館工戦で先発した時は「どんどん三振を取ってやると思っていた」が、制球が定まらず四死球を連発。走者をためては安打され、守備陣もリズムを崩し失策を重ねた。それから「勝つにはコントロールが一番大事だと考え直した」。エースに意識革命が起きた。

 セットポジションで制球が甘くなる欠点を克服するため、投球練習の7割をセットポジションで投げるようにした。投手出身の片口伸之監督(28)からも足の上げ方や投球リズムを教わり、制球第一の投球に徹した。「最後の最後だけは三振で締めようと力んじゃいましたけど」。それも今は笑って言える。

 次は春に完敗した函館工戦。片口監督は「やられたものはやり返してほしい」と期待する。「はい、絶対にリベンジします。三振を取りにいかず、力まず勝ちにいきます」。スタメン9人中5人が2年生という若いチームの柱が宣言した。【本郷昌幸】