あの「マサル劇場」は、まだ終わりじゃなかった…。今季限りでの引退を表明した日本ハム武田勝投手(38)がポストシーズンに「電撃参戦」する可能性があることが1日、分かった。9月30日ロッテ戦での引退セレモニーから一夜明けたこの日、球団側へ今後もチームへ同行を希望する申し出をしていることが判明。戦力としてではなく打撃投手など裏方として、最後までサポートする覚悟を伝えた。球団側も、その熱意を受諾する方針だ。

 涙のお別れは、静かな「戦列復帰」への序章だった。前夜ロッテ戦で打者1人相手の号泣の引退登板を終え、オカリナも演奏。軽快トークもさく裂と独り舞台だったが、心温まるプランを練っていた。明日3日から、12日に開幕するクライマックスシリーズのファイナルステージ(S)へ向け、札幌ドームで調整。武田勝は、球団側へ練習参加を願い出たという。球団幹部によれば「打撃投手でも、何でもやります」と、サポート役を買って出た。

 献身的な思いを、球団側も受諾する方向。引退表明時の「俺のために優勝しろ」との自筆メッセージに、4年ぶり優勝で応えたチームメート。最高の花道を作ってもらった前夜には「俺のために日本一になれ」と、またハードルを上げた。自身も身を削り、引退選手としては異例の支援をすることを決めた。前夜に、計画を示唆していた。「CSでも力になれるのであれば力になりたい。1日でも長く、彼らのプレーを見たい」。有言実行で最後の最後まで、熱く伴走する。