阪神金本監督の執念が最後の最後でG倒に結びついた。6回に早くも桑原を投入。1安打1四球のピンチをしのぐと、続く回も続投させた。最後は1番長野を空振り三振。2イニングを投げ切ったのは、今季2度目だった。

 金本監督 岩貞の状態を見ながらだったが、(6回は)打順が上位だったし、点を取った後だった。同じような繰り返しになると、雰囲気も悪くなる。流れを変えようと。

 先発岩貞は得点した直後の失点を2度続けていた。嫌なムードを断ち切りたい。強い決意が采配に表れた。8回のマテオも無失点に抑え、ゲームプランは完成したかに見えた。思わぬ誤算は9回。守護神ドリスが3失点で同点に追いつかれる。指揮官は苦笑を浮かべつつ言った。「ドリスも今年はよくやってくれている。たまにはあるということで」。逆転を許さなかったことで勝機は残っていた。

 本拠地で巨人に2連敗。いずれも完敗だった。早ければ、球宴明けにも自力優勝の可能性が消滅する状況。この日も苦しい展開で、ナインが見せた反発力に、うれしげだった。「9回にああいうことがあったが、よくはね返してくれた」。攻撃面はバント失敗などミスもあったが、貧打にあえぐ打線が闘志を見せた。「(残りは)2試合なので、リリーフにがんばってもらって、勝ちにいきます」。首位広島とは8・5ゲーム差。DeNAが追い上げる中で2位も守った。チームに粘りが出れば、逆襲の機運は高まる。【田口真一郎】