中日岩瀬仁紀投手(42)の進退をかけた戦いが再び始まる。志願して2軍で再調整をしていた左腕は7日、1軍に合流した。ナゴヤドームで行われた投手練習を終え「しっかりと最後までやりたいですね」と最終戦まで1軍戦力としてやり通す決意を口にした。

 8月20日の阪神戦で打たれ、2軍行きを決めた際に「このままで終わりたくない」と語った。注目は44歳になる来年も現役を続けるかどうか。簡単に出せる結論ではないが、頭にあるのはもう1度、活躍できる状態を取り戻すことだけ。来季への意欲が衰えていないことを意味している。

 「この期間は治療に専念していた。だいぶよくなってきた。一番いい状態ではないけど、気になっていたところが改善できつつある」。箇所は伏せたが、再調整を志願したのは、技術面より、体調面の問題であったことを示唆。2軍では2試合に中継ぎ登板し、状態回復を確認した。

 今年8月、通算950登板のプロ野球新記録を樹立。次の節目になるのは残り47に迫る1000登板だが、もちろん来季も投げないとクリアできない。再び不振や故障で2軍再調整になると、シーズン終了を意味するばかりか、引退の決断につながる可能性が出てくる。

 近日中に出場選手登録される。今季49試合登板と、完全復活を果たした不死鳥は、まだ伝説のストーリーを終わらせるつもりはない。【柏原誠】