全員一丸のカープ野球だ! 広島安部友裕内野手(28)が26日、出場選手登録を抹消された。「右ふくらはぎ打撲箇所の血腫除去」のため。安部はリーグ優勝を決めた18日の阪神戦(甲子園)でメンドーサから右ふくらはぎに死球を受けていた。安部は今季123試合に出場。打率3割1分、4本塁打、49打点をマーク。穴はチーム全員で埋めるしかない。

 広島に衝撃が走った。安部が「右ふくらはぎ打撲箇所の血腫除去」のため出場選手登録を抹消された。18日の阪神戦で受けた死球が原因だった。

 前日25日に広島市内の病院で血腫除去の処置を行った。松原1軍チーフトレーナーは「筋肉と筋膜の間に出来た血腫を昨日除去し、経過観察で入院しています」と説明。筋肉に損傷はなく動ける状態ではあったが、今後肉離れなどを起こしやすくなるため、処置に踏み切ったという。全治は不明ながら、10月18日からのCS出場は微妙な状況になった。

 安部は今季123試合に出場。打率3割1分、4本塁打、49打点をマークしていた。「覇気」を口癖にハイアベレージをマーク。首位打者争いにも顔を出し、5番を打つこともあるなど広島のつなぐ打線を支えた。報告を受けた緒方監督は「残念です」。石井打撃コーチも「下位打線のポイントゲッターだったから。離脱は痛い」と語った。

 訪れたピンチはこれまで同様、全員で吹っ飛ばす。今季、何度もピンチが訪れていた。開幕直後にエースジョンソンが咽頭炎で離脱。守護神中崎は腰痛症を訴えて抑えを今村に譲った。8月23日には4番を打っていた鈴木が「右足脛骨(けいこつ)内果骨折、三角靱帯(じんたい)損傷」で今季絶望となった。しかしそのたびに日替わりヒーローが現れ、穴を埋めた。この日も全体練習では若手組が居残り特打を行った。西川、小窪、メヒアらが競い、チャンスに目を光らせる。

 チームは今日27日に本拠地最終戦となるヤクルト戦(マツダスタジアム)を戦う。訪れたピンチも、広島はさらに1つになるための材料にする。【池本泰尚】