ヤクルトが異例の「くじ引き者決定会議」を行う。衣笠剛球団社長兼オーナー代行(68)が13日、都内の球団事務所でドラフトに向けて「くじ引きをするための会議をする」と話した。

 冗談めかしているが、本気だ。他球団との競合覚悟でドラフト1位で早実・清宮幸太郎内野手(3年)の指名を明言。しかしヤクルトは07年に5球団競合の由規を引き当てて以降、09年から1回目の1位抽選に7連敗中とくじ運が悪い。そこで事前に最も勝負強い人間を選び、くじを引かせるという考えだ。衣笠社長は「簡単に言うけど、くじを外すと落ち込む。それだけ真剣なんだ」と説明した。

 候補者にはシニアディレクター兼務の小川新監督、橿渕スカウトデスク、酒井担当スカウトらの名前が挙がる。小川新監督は「くじ引きをやるためのくじ引きをするのも1つの方法」と直前のスカウト会議で模擬抽選を行い、勝者にくじ引きを任せる考えを示した。自身は10年ドラフトで斎藤佑、塩見とくじを外して山田を獲得。「結果山田だったけど、外すとスカウトに申し訳ないと思う」と怖さを振り返った。運命の日まで約2週間。清宮獲得へ、最善を尽くす。【島根純】