日本ハム中田翔内野手(28)がドラフト1位の早実・清宮幸太郎内野手(18)の全面サポートを約束した。14日、札幌市内の球団事務所で今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留することを表明。1年契約で年俸は8000万円減の2億円プラス出来高でサインした。入団確実な清宮とチームメートになることを心待ちにし、頼りになる先輩として超大物新人を迎え入れる。(金額は推定)

 中田は苦笑いしながら、まさかの真実を明かした。チーム残留を表明した後に、清宮について問われると「清宮君が入ってくることは何日か前に知ったので…」。会見場に微妙な空気が流れたが、既に心は受け入れ態勢万全だ。「誰しも壁にぶち当たることはある。そういう時にチーム全体で“宝”をサポートしていってあげればいい。自分の場合も手を差し伸べてくれたのは先輩。そういう役割が出来たら」と、超大物新人のサポート役に名乗りを上げた。

 後輩の実力は報道などを通して知っている。「持っているものはすごいと思うし、結果を残してくれるとは思う」と期待するが、同じように騒がれてプロ入りした自身が1軍に定着したのは4年目の11年だった。「本当に大きな壁にぶち当たっている時、救ってくれたのは先輩だった」と、今は侍ジャパン監督を務める稲葉氏らから公私でサポートを受けながら、主力へ上り詰めたと回顧する。当時と立場も変わり、今度は自分の出番だと自負する。

 ちなみに球団が清宮との交渉権を得たと知ったのは約1週間前。その後、10月26日に開催されたドラフト会議の動画を確認。「木田さん(GM補佐)が引いて、あまりかっこよくないガッツポーズをしてましたけど」と冗談交じりに振り返ったが、この1カ月間は国内FA権の行使か否かを悩み続けていた。

 今季は打率2割1分6厘、16本塁打に終わり、「ファンのみなさんに対しての申し訳なさ」も、残留を決めた要因となった。来季は清宮とタッグを組み、日本一奪回へ全力を尽くすことになる。「楽しみというか。(守備位置が)ファーストでかぶっちゃうんで、ちょっと必死にならないとダメ」と、刺激も受けながら楽しみな後輩とともに、今季の悔しさを晴らす。【木下大輔】