ソフトバンク千賀滉大投手(24)が21日、福岡市内の球団事務所で契約更改に臨み、6500万円から6000万円増の1億2500万円でサイン。10年の育成ドラフト4位で入団。育成ドラフト出身では巨人山口鉄、ロッテ西野に続く史上3人目、球団では初の1億円突破となった。今季13勝(4敗)を挙げ、勝率7割6分5厘でパ・リーグの勝率第1位のタイトルを獲得。来季は最優秀防御率賞獲得を目標に掲げ、さらなる飛躍を誓った。(金額は推定)

 千賀は「大台には乗りましたか? 」と質問されると「はい」と照れるように即答した。育成ドラフト出身では史上3人目、球団では初の1億円突破。入団から7年。リーグを代表する投手に成長した男は、しみじみと3ケタの背番号を背負ったころを回想した。

 「(1億突破は)不思議な感覚です。年俸270万円から始まって、うーん不思議ですね。何もできなかった田舎もんの高校生から…。コーチや裏方さん、みんなに感謝しなければいけませんね」。

 今季は13勝を挙げ、2年連続で2ケタ勝利をマーク。「お化けフォーク」と呼ばれる球界随一の変化球を駆使してチーム日本一の原動力ともなった。交流戦前に背中に痛みを覚え、登板回避もあったが、しっかり数字を残してきた。年俸270万円は日本の社会人1年目の平均年収とほぼ同じ。それが7年で一気に「億万長者」の仲間入り。当然、大きな責任も感じ取った。「もっと活躍して評価を上げてもらえるようにしないと。金額が大きくなれば余計に頑張らないと」。

 来季の目標も明確にした。最優秀防御率のタイトル獲得だ。「最優秀防御率をとりたい。先発投手では防御率が一番評価されると思うから」と言い切った。昨年、今年と2年連続で防御率は2・6点台。「(防御率が)1点台に乗れるように、それくらいの気持ちでやりたい」と口元を引き締めた。

 「もっともっと打者を圧倒して、もっとチームで計算できる投手になっていきたい」。24歳の剛腕は、さらなる高みを目指す。【佐竹英治】