阪神はFA補強で糸井を獲得し、リリーフ陣の整備に成功した。昨年の4位から2位に躍進。鳥谷が顔面死球のアクシデントを乗り越え、2000安打を達成。オフには大和がDeNAにFAで移籍した。担当記者の印象に残った言葉は…。

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▽金本監督「ここは本当に…、なんていうのか…。そういう風が吹いている、向こうに」(9月6日、逆転優勝に望みをかけた首位広島との直接対決で2戦連続サヨナラ負け。敵地マツダの異様な雰囲気に、指揮官も言葉を失った=田口真一郎)

 

▽鳥谷「一番上の子なんか、『また骨折?』で終わりだったよ(笑い)」(5月24日巨人戦で顔面死球を受けて鼻骨を骨折。大量出血が止まらない姿に周囲は騒然としたが、家族の反応は至って冷静だったとか。鉄人ぶりにはもう慣れっこのようで=佐井陽介)

 

▽鳥谷「長かったな…。これでやっと静かに野球できるわ(笑い)」(9月8日DeNA戦で通算2000安打を達成した翌朝の甲子園で。大台到達までの連日の取材攻勢を振り返り、思わず苦笑い=佐井陽介)

 

▽藤浪「結局は結果ですから。結果を出すしかないんです」(2軍暮らしが続いていた夏の鳴尾浜で。今季は制球難から死球を出す場面も目立つなど、苦難の1年に。周囲からどれだけ批判を浴びようとも、決して逃げはしなかった=佐井陽介)

 

▽大和「自分でも思います。どうして、こんなばくちに出るんだって。でもやっぱり、今、勝負したい。後悔したくないんですよ」(悩みに悩んだ末、12年間在籍した人気球団・阪神からFA宣言して11月30日にDeNA移籍を表明。いばらの道を進む覚悟は決まっていた=佐井陽介)

 

▽糸井「収穫や! 硬球は硬くて痛い!」(2月21日、沖縄・宜野座キャンプ。フリー打撃中、外野のポール間をランニングしていて打球が右腕を直撃。球場内は騒然となったが、何食わぬ顔でコメント。周囲の心配を笑いに変えた=桝井聡)

 

▽糸井「1番のチームやと思っています」(4月5日ヤクルト戦、同点の7回2死一、二塁からルーキの153キロを京セラドーム大阪の右翼5階席へ。虎初のお立ち台で阪神について問われてひと言。FA戦士が、開幕5試合目で虎党の心をわしづかみにした=桝井聡)

 

▽福留「僕の中では自分が打つよりもうれしい。やっぱり、同じ年の彼が練習していれば、負けずに自分も練習しなきゃと思ってやってきた」(中日荒木が6月3日楽天戦で通算2000安打を記録。互いに鍛えてきた盟友の節目を心の底から喜んだ=桝井聡)

 

▽秋山「これから1つ1つ積み重ねていきたい」(8月18日中日戦で8年目にして自身初の10勝をマーク。謙虚な姿勢が印象的だった=山川智之)

 

▽糸原「いい経験にして、次はそういうミスをしないようにしないと。これからの野球人生に生かしたい」(4月2日広島戦でプロ初安打をマーク。デビュー戦だった前日はサヨナラ負けにつながる失策を犯していたが名誉挽回=山川智之)

 

▽小野「プロでの1勝は大きいと思いました。甲子園で決められて良かったです。いいピッチングとは言えない中で野手のみなさんに助けてもらった。感謝しかないです」(8月29日ヤクルト戦でデビュー13試合目にしてプロ初勝利。勝てない日が続いたが心は折れなかった=山川智之)

 

▽西岡「アキレス腱(けん)を切ったからスピードが落ちたと見られがちだけど、スピードを見てもらいたかった。でも緊張しましたね。(球場で)メシも(のどを)通らずですね」(7月17日、昨季に左アキレス腱(けん)を断裂後、362日ぶりの戦列復帰で「1番一塁」で出場し、1回裏の第1打席に初球を三塁線へセーフティーバントを試みたとき。まだまだ走れるんだというメッセージが伝わってきた=真柴健)