楽天が10日、楽天生命パーク宮城内の室内練習場で行われている新人合同自主トレを公開した。2日目は恒例の折り返し持久走「20メートルシャトルラン」を実施。ドラフト1位の近藤弘樹投手(22=岡山商大)が76本で10人中9位に沈み、同2位の岩見雅紀外野手(23=慶大)が71本で最下位だった。文部科学省が発表している18歳平均の「78・7」を下回る数値でも、巨漢コンビは気にしない様子。なお1位は121本も走ったドラフト6位の西巻賢二内野手(18=仙台育英)だった。

 一定のリズムで音楽が流れる中、20メートルの折り返し数を計測するシャトルランで最初に脱落したのは、ドラ2位の岩見だった。10人中最下位の71本に終わると、人工芝に正座で座って、ぐったりとへたり込んだ。

 岩見 最初からしんどかった。慶応ではほとんど走らない。小学校以来だったけど、当時は80を上回っていた記憶があるので、恥ずかしい。50じゃなくてよかったです。

 その5本後の76本でギブアップしたのが、ドラ1の近藤だった。

 近藤 全く自信がなかった。体力は必要なんで、ここから頑張ります。

 ともに185センチを超える巨漢コンビが出遅れたが、シャトルランの数値が成績に直結するわけではない。07年は現ヤンキース田中が90本で最下位だったことを聞かされると、同じドラ1の近藤は「ビリは隣にいる。僕はビリじゃないですよ」と切り返した。5日に入寮して5キロ増の115キロまで達した岩見も「1試合で20メートル走を70本も走らない。塁間とベースランニングはできる」と、愛きょうたっぷりの笑顔で開き直った。

 開幕1軍入りのためには、2月から始まる沖縄・久米島キャンプにピークを合わせる必要がある。岩見は「キャンプを迎えるのに必要なのは特別なことよりも、基礎的なこと。けがをしない体づくりをしたい」と前を向いた。今日11日は都内で行われる「NPB新人研修会」に参加する。再び仙台でギアを上げて、キャンプに臨む。【高橋洋平】